最近読み始めた本の「サピエンス全史 上」ですが、ちょっと気持ちが沈みがちになりそうです。
ようやく「第1部認知革命」100ページ(1/6)読み終わりました。全ページに今まで知らなかったわれわれサピエンスの起こしたことが載っています。
人類(サピエンスのこと)は他の人類種であるネアンデルタール人や、エレクトス人などもことごとく根絶に追い込むことができ、それだけでなく多くの陸上哺乳類も根絶してきたということをこの「第1部認知革命」では説明しています。
まだ鉄の資材や、荷車、文字も出来ていない時期で約1万年前後辺りの近代で急速に他の種を根絶させてきたということだ。
それまで200万年以上もネアンデルタール人など他の人類種は多くの肉食獣の下の方に位置しながら生態系の一部であったのに、このサピエンスは極めて短い数万年で陸上の生態系を壊し、支配者になっていきました。
この大胆で大規模な狩猟採集民の行動の元になったのが虚構を生み出した「認知革命」だった、という訳です。(ここでの虚構とは・単純に「嘘」のことではなく、実際に見た事のない事象を創造できることを指しています、精霊や、神などの偶像的なシンボル)
ネアンデルタール人その他の人類種やチンパンジーなどの霊長類は「嘘」を使用できたが、「虚構」までには至らなかったようです。(ライオンが来るぞー!とか合図などをして、他のジャマ者を追い払うことはできるようです)
このサピエンスが持つ独特の「虚構」とは、実際に目に見えなくても存在を認識できちゃうという能力です。
例えば、人の姿に似た形の「神様」やその物語が存在し認識することができたり、または、紙幣そのものは実際は「紙」なのにそれに価値の物語が存在し認識することができるなどです。
つまり実際に目に見えなくても信じることができるようになったということが「認知革命」ということになります。(あの方が言うなら正しいのだろう!的な)
「われわれが進化し、敵を滅ぼし、領土を拡げることは神さま精霊さまからの使命なんだぞ。ガンバレ!」
ってことを武器にしていたってことです。
現代でもけっこう思いあたりますよね。
大なり小なりのグループができればその中で発生してくる「虚構」(または噂話)はサピエンスが大きく動いていくための原動力になったという訳です。
読んでいて面白いと思う反面、なんか罪悪感も芽生えてきています。
現代で生活できている自分達がいろんな「農耕・畜産技術」「流通」「取引」「科学技術」などの高度な文明のなかで過ごせていることにありがたく感じていましたが、それまでになかなか犠牲も多くて、修羅のような歴史の上にいるのか、と思うと「感謝」だけで足りるのだろうか?と考えさせられました。
この「サピエンス全史」の内容を読み終わる時にはどんな心境になるか気になっています。